日本歴史地名大系 「飛道」の解説 飛道ひだみち 長野県:南安曇郡飛道ここに飛騨道というのは、松本から梓川(あずさがわ)谷をさかのぼって中尾(なかお)峠を越えて高原郷に出る道と、安房(あぼう)峠を越えて平湯(ひらゆ)を経て小八賀(こはちが)川谷を下って高山へ通ずる道をいうのである。中尾峠は天正一三年(一五八五)に豊臣秀吉の将金森長近に攻められて信州へ逃れた三木秀綱夫妻一行の通った道であり、慶長三年(一五九八)前田利家が宿痾を癒すために上州草津(くさつ)温泉へ湯治に行って帰途この道を通ったといわれている(神岡町史)。越中の立山(たてやま)・加賀の白山(はくさん)への松本方面からの信者が利用した道でもある。安房峠越えへの道は、享保九年(一七二四)成立の「信府統記」によれば、飛騨高山への山道として、次のようにその道程を記している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by