飛鳥山口坐神社(読み)あすかのやまぐちにいますじんじや

日本歴史地名大系 「飛鳥山口坐神社」の解説

飛鳥山口坐神社
あすかのやまぐちにいますじんじや

飛鳥坐あすかにいます神社末社として同社境内に鎮座祭神大山津見おおやまつみ乃神・久久乃知くくのち之神・猿田比古さるたひこ神。飛鳥山口神は飛鳥・藤原地方を取巻く大和六処山口社の一で(「延喜式」祝詞)、「新抄格勅符抄」によると「安宿山口神」は大和に四戸、播磨に一〇戸の神封があり、当時としてはかなり大きな神社であった。天安三年(八五九)一月二七日、従五位下より正五位上を授けられ、同年(貞観元年)九月八日、風雨祈願のため奉幣されている(三代実録)。「延喜式」神名帳の高市たかいち郡に「飛鳥山口坐神社大、月次新嘗」とみえ、祈雨神祭八五座の一でもあった。飛鳥坐神社境内への配祀年代は不明で、元禄一一年(一六九八)の大和国飛鳥社図(社蔵)にはみえず、「大和志」に初めて鳥形とりがた山鎮座のことを記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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