飯田道(読み)いいだみち

日本歴史地名大系 「飯田道」の解説

飯田道
いいだみち

飯田道とは木曾妻籠つまごで中山道と分れ、あららぎを経て、伊那の飯田へ通じる道のことで、清内路せいないじ峠を越える道と、大平おおだいら峠を越える二つの道筋がある。

飯田道が記録の上に現れてくるのは、天文二年(一五三三)の京都醍醐寺理性院厳助の「信州下向記」(醍醐寺三宝院蔵)で、「五月廿日、晴、妻(籠)ヲ立テ道二里、広瀬迄妻子ヨリ送人馬等有之、自広瀬又山中一里計間悪所也、自妻子被申付広瀬者五人送来也、(中略)広瀬ヨリ飯田迄道九里」とある。清内路峠は江戸初期の木曾惣図(生駒勘七氏蔵)に「伊奈境、蘭峠、古木曾峠トモ妻籠ヨリ三里九丁、此先伊奈之内清内路村ニ至ル」とある峠であり、おそらく古代東山道が神坂みさか峠を越えていた当時、その谷の崩落した折は、バイパスとしてのこの峠を使用したものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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