館ノ浜・舘浦(読み)たちのはま・たちうら

日本歴史地名大系 「館ノ浜・舘浦」の解説

館ノ浜・舘浦
たちのはま・たちうら

[現在地名]生月町舘浦

山田やまだ村の南東部にあり、たつノ瀬戸を挟んで南東に平戸島がみえる。生月島ではもとは唯一砂浜が長く続く古くからの漁業集落で、はま屋敷やしき汐見しおみ町に分れる。一五五九年(永禄二年)当時、籠手田ドン・アントニオの所領生月の海岸のタチノハマTachinofamaキリシタン漁夫が住んでいた。その妻の出産が近づくと貧しい小屋の壁に十字を描いた紙を張りつけ、日々何度も手を合せて切に男子が授かることを願い、そのとおりになったが、その子が突然死んだため漁夫は信仰心を失い冒涜の言葉を吐いた。その翌年も男子を出産したが、奇形であったことから悔悛の情強く、再び善良なキリシタンに返ったという(フロイス「日本史」)。当地を所領としていた籠手田安経は、一五五七―五八年にヴィレラ神父を伴ってその布教を援助、自らも領民にキリスト教への帰依を勧めたことから、信者になる者が多かった(一五五九年一一月一日「ガゴ書簡」イエズス会士日本通信)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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