首枷・頸枷(読み)くびかせ

精選版 日本国語大辞典 「首枷・頸枷」の意味・読み・例文・類語

くび‐かせ【首枷・頸枷】

〘名〙 (「くびかし(首枷)」の変化した語)
刑具の一つ。罪人の首にはめて自由を束縛するもの。
太平記(14C後)二「只地獄の罪人の十王の庁に渡されて、頸械(クビカセ)手杻(かせ)を入られ、罪の軽重(きゃうぢう)を糺(ただ)すらんも」
② 江戸時代、鋸挽(のこぎりびき)刑の穴晒(あなざらし)に際し、罪人の首に施した刑具。栂(つが)板二枚を合わせ、真中をくりぬき、それに罪人の首をはめ、鎹(かすがい)でとめたもの。
③ 自由をうばうもの。足手まといとなるもの。くびっかせ。
※光悦本謡曲・天鼓(1465頃)「おやこは三界のくひかせと」

くび‐かし【首枷・頸枷】

書紀(720)継体二四年九月(前田本訓)「杻(あしかし)(てかし)、枷(クヒカシ)(かなつかり)して新羅と共に城を囲む」

くびっ‐かせ【首枷・頸枷】

〘名〙 「くびかせ(首枷)」の変化した語。
※雑俳・柳多留‐四二(1808)「へぼ役者子は三階の首っかせ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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