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天鼓 てんこ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天鼓
てんこ

能の曲名。四番目物。作者未詳。中国の後漢の時代,天鼓という鼓の天才少年が,天から授かった鼓を勅命で召し上げられようとしたのを拒んだため死罪となり,鼓 (作り物の羯鼓〈かっこ〉台) は宮中に運ばれる。

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デジタル大辞泉の解説

てん‐く【天鼓】

仏語。忉利天(とうりてん)の善法堂にあり、打たなくても自然に妙音を発するという太鼓。仏の説法にたとえる。

てん‐こ【天鼓】

天上界で鳴るというつづみ雷鳴のこと。かみなり。

てんこ【天鼓】[謡曲]

謡曲。四番目物。少年楽人の天鼓は天から授かった鼓を帝に献上するのを拒み、呂水に沈められ殺される。その後、鼓は鳴らなくなるが、天鼓の父が打つと妙音を発する。帝が哀れを感じて追善の管弦講を催すと、天鼓の亡霊が現れ、鼓を打ち楽を奏する。

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デジタル大辞泉プラスの解説

天鼓

一丸章の詩集。1973年、第23回H氏賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

てんこ【天鼓】

能の曲名。四番目物。作者不明。前ジテは天鼓の父王伯。後ジテは天鼓の霊。中国に昔,王伯,王母という老夫婦がいた。あるとき王母は,天から鼓が降ってきて胎内に入ったという夢を見て懐妊したので,生まれた子を天鼓と名付けたところ,その後本当に鼓が降ってきた。天鼓はその鼓をたいせつにしていたが帝がその名器のことを聞き,召し上げようとした。天鼓はいやがって山中に隠れたが,ついに見つけられ,呂水に沈めて殺された。ところが,取り上げて宮中に据えたその鼓は,いくら打っても音がしない。

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大辞林 第三版の解説

てんく【天鼓】

〔「く」は呉音〕
忉利天とうりてんにある、打たなくても妙音を発するという鼓。

てんこ【天鼓】

天上に鳴るつづみ。雷鳴。 → てんく(天鼓)

てんこ【天鼓】

能の一。四番目物。世阿弥作。少年に天から下された鼓を帝が望み、拒む少年を呂水に沈めてこれを得るが、鼓は打てども鳴らない。ところが、少年の父に打たせると妙音を発する。帝は哀れを催して呂水のほとりで少年追善の管弦講を行うと、少年の霊が現れ鼓を打つ。
人形浄瑠璃。時代物。近松門左衛門作。1701年初演。故三位富士丸の一人娘沢瀉おもだか姫と家宝天鼓の鼓をめぐる物語。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天鼓
てんこ

能の曲目。四番目物。五流現行曲。天から授かった鼓(つづみ)を持つ少年天鼓は、それを差し出せという皇帝の命令に背いたため、呂水(りょすい)に沈められ殺される。宮中に召し上げられた鼓はだれが打っても音を出さぬ。勅使(ワキ)が少年の老父(前シテ)を呼び出して打たせると、恩愛のきずなか、鼓は美しい音を発する。感動した皇帝は、天鼓のための音楽葬を命ずる。天鼓の霊(後(のち)シテ)は弔いを感謝して水中から現れ、愛する楽器を演奏し、夜明けとともに消えていく。前半の悲痛さに、後半の純粋な音楽への陶酔の喜びが際だつ。前シテが親で、後シテが子供の亡霊という形の能には、ほかに『藤戸(ふじと)』『昭君(しょうくん)』がある。[増田正造]

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