鋸挽(読み)のこぎりびき

  • ×鋸×挽
  • のこびき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

戦国~江戸時代の刑罰の一つ。死刑のなかでも極刑とされ,江戸時代には主殺に対して科せられた。『公事方御定書』には,「1日引廻のうえ,両肩に刀目を入れ,竹のこぎりにそのをつけ,そばに立てたまま2日間さらし,ひくことを希望する者があればひかせる」とあり,最終的にはによって処刑する。戦国時代より江戸時代の初期にかけては,実際にのこぎりでひき殺していたが,次第に形式化し,磔の前に行う一種刑となっていった。晒場は日本橋南詰めの広場で,受刑者を穴晒箱に入れて首かせをかけ,釘締めにしてさらした。なお,これには田畑家屋敷家財闕所が付加された。明治2 (1869) 年7月廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

鋸で首を挽き切る刑罰。日本の中世近世にみられ,江戸幕府の制度では主殺(しゆうごろし)にのみ適用する最高刑であった。戦国時代までは竹鋸で実際に首を挽いたが,江戸幕府法の挽はその形式化したもので,一種の(さらし)刑たる穴晒(あなさらし)として行われた。すなわち土中に埋めた箱に罪人を入れ,枷(かせ)を施した首だけを地上に出させる。その両脇に竹鋸と大鋸を置いて衆人に晒すこと2日,3日目には引廻し(ひきまわし)のうえ,刑場で(はりつけ)に処した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の鋸挽の言及

【闕所】より

…私的に所持する財産を官没するもので,公的な支配権の召上げは改易(かいえき)と呼び区別した。《公事方御定書》によれば,鋸挽(のこぎりびき),磔(はりつけ),獄門,火罪,斬罪,死罪,遠島および重追放の諸刑には田畑,家屋敷,家財の取上げが,中追放には田畑,家屋敷の取り上げが,軽追放には田畑の取上げがそれぞれ付加される。これを欠所と称し,武士,庶民を通じて適用したが,扶持人の軽追放においてはとくに家屋敷のみの欠所とする。…

※「鋸挽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

児童相談所

子供の福祉に関する相談に応じ,援助などを行なう行政機関。児相と略称される。児童福祉法に基づき,都道府県と政令指定都市に設置が義務づけられている。運営は厚生労働省の局長通知,児童相談所運営指針にそって行...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android