馬上衆(読み)ばじょうしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「馬上衆」の意味・わかりやすい解説

馬上衆 (ばじょうしゅう)

戦国~江戸時代,馬に乗って戦場に臨むことのできた武士。平安時代後期から鎌倉時代にかけては,騎馬戦が主たる合戦方法であったために,武士の多くは馬に乗って参戦した。南北朝時代ころから戦闘に鑓(やり)が多く使用されるようになって,合戦は歩兵による集団戦が主流になった。合戦の変化にともなって,馬に乗って参陣する者は,合戦において馬の上から指揮をとる侍大将のような身分の高い者と,これを警固する親衛騎馬隊といった特別の者に限られるようになった。このため戦国時代以降は馬に乗って参戦するのは,特別な役割を負うか高禄の者かに限定され,馬上身分として固定した。こうした馬上を許された有力家臣たちを馬上衆と称した。江戸時代上方においては,200石につき馬1頭を飼育する義務があったので,200石取りの武士を騎馬一騎と呼んだが,この場合200石取りが馬上衆の一つの目安であったといえよう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬上衆」の意味・わかりやすい解説

馬上衆
ばじょうしゅう

馬に乗ることのできる武士階層。室町時代以降,槍の使用によって戦闘は歩兵の集団戦に移行し,一般の軍兵徒士 (かち) であった。騎乗できるのは侍大将格の武将とその警備をする武士に限られ,彼らを馬上衆と称し,騎乗で戦闘に参加することを許された。

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