馬簾(読み)バレン

デジタル大辞泉 「馬簾」の意味・読み・例文・類語

ば‐れん【馬×簾】

まとい周囲に房のように垂れ下げた、細長いラシャや厚紙、革などで作った飾り。
印刷で、点線の連続する罫線けいせん目次を組むときなどに使用

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精選版 日本国語大辞典 「馬簾」の意味・読み・例文・類語

ば‐れん【馬簾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (まとい)の飾りとして彩色した細長い紙や革などを長くたらしたもの。
    1. [初出の実例]「さしもののばれんは何をしたるものかしれぬ也」(出典:随筆・古老茶話(1741頃)上)
  3. 歌舞伎の四天など衣服の裾や布などの周囲につけた房糸。
    1. [初出の実例]「幡連(バレン)附黒四天素綱一本差し」(出典:歌舞伎・意中謎忠義画合(鳥目の上使)(1864))
  4. 印刷罫線の一種で、点線の連続するもの。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「馬簾」の解説

馬簾 (バリン)

植物イネ科多年草ウシノシッペイ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の馬簾の言及

【歌舞伎】より

…用途により全身,半身などのものがある。 馬簾(ばれん)衣裳用語。時代物に用いる四天(よてん)衣裳などの裾に付く装飾用の房糸。…

【四天】より

…(1)伊達(だて)四天 繡(ぬい)四天あるいは唐織四天と呼ばれ,《八犬伝》芳流閣の犬飼現八,《盛綱陣屋》の信楽(しがらき)太郎など,勇ましい役や大盗賊,妖術使いあるいは御注進の役が用いる。金糸,銀糸の繡の衣装の裾まわりに馬簾(ばれん)という金・銀・紅・白などの房がついている。(2)鱗(うろこ)四天 銀の鱗形の模様の衣装で,馬簾はない。…

【纏】より

…しかし他と紛れぬように,幟のほかにも作り物を用い,ときには当世具足の背に着けた指物(さしもの)を纏としたので,《甲陽軍鑑》には〈北条家の大道寺九ッ挑灯(ちようちん)のさし物をそえにしてもたする,是によってまとひは北条家よりはじまる〉と伝えている(旗指物)。また竿の先端に趣向をこらした作り物を施し,さらに馬簾(ばれん)といって輪形に切裂(きつさき)を長くたらしたのを加え,これを馬脇の標識とした馬印を纏と呼ぶようになった。この形式の纏は江戸時代になってから軍事組織に準じる消防にあたる者の標具としても用いられ,かくて纏は,必ず馬簾をつけ,上端に〈出し〉という飾物を配し,柄の下部の石突(いしづき)を股(また)として手にかけて持ち,振るのに便利とした(〈火消〉の項を参照)。…

※「馬簾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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