駅逓(読み)エキテイ

デジタル大辞泉 「駅逓」の意味・読み・例文・類語

えき‐てい【駅逓】

宿場から宿場へ荷物を送り届けること。宿しゅくつぎ。馬つぎ。
郵便
「―の局に似通う両替ペンキの家に」〈白秋断章

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精選版 日本国語大辞典 「駅逓」の意味・読み・例文・類語

えき‐てい【駅逓】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 宿駅から宿駅へ荷物などを送ること。駅伝馬継(うまつぎ)宿継(しゅくつぎ)
    1. [初出の実例]「駅遞 ヱキテイ ツギビキャク」(出典:布令必用新撰字引(1869)〈松田成己〉)
    2. [その他の文献]〔隋唐嘉話‐中〕
  3. 郵便。特に、明治前期、郵便と交通運輸とをあわせた呼称
    1. [初出の実例]「大統領の下に七人の書記官あり、国務、財務、海陸軍、民業、駅逓、検事の事務を分課して、宰輔の官なし」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)

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普及版 字通 「駅逓」の読み・字形・画数・意味

【駅逓】えきてい

うまつぎ。

字通「駅」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の駅逓の言及

【駅伝制】より

…このように複雑な来歴をもつ制度を,明は郵駅として統一的に整備し,それが基本的に清にも受けつがれた。郵駅は鋪逓と駅逓の二つの機能をもち,前者は徒歩により官文書を逓送し,後者は馬により官文書・官物の逓送と,公務にある官人を護送するものであった。駅逓にたずさわる施設は,駅,站,塘,台,所などと呼ばれ,清代には2000近くあり,鋪逓はモンゴリア・新疆など異民族地域には設けられず1万5000近くあった。…

【郵便】より

…中国の郵便制度も古く,体系的に整備されたのは唐時代であるが,すでに周時代にその芽生えがあった。道路に駅が設けられ,その駅から駅へ送り継ぐことを逓と称し,〈駅逓〉という言葉はここから生まれた。また重要な町には伝が設けられ,伝には馬車が備えられた。…

※「駅逓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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