書記官(読み)ショキカン

デジタル大辞泉 「書記官」の意味・読み・例文・類語

しょき‐かん〔‐クワン〕【書記官】

旧制で、内閣各省・都道府県庁・貴族院衆議院などにおいて、長官を補佐して文書作成審案などの事務職務としていた高等官
裁判所書記官」の略。
外交官の一。外交事務に従事する者。
[補説]書名別項。→書記官

しょきかん【書記官】[書名]

川上眉山短編小説。明治28年(1895)「太陽」誌に掲載観念小説傑作として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「書記官」の意味・読み・例文・類語

しょき‐かん‥クヮン【書記官】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 記録を司る役。書記
    1. [初出の実例]「製述官成琬・書記官李聃齢ならびに裨将洪世泰などいふものどもにあひて」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)
  3. 旧制で、各行政官庁において、長官を補佐し、その事務を分担する奏任官。書記。
    1. [初出の実例]「各省職員を置く左の如し。次官 局長 参事官 秘書官 書記官」(出典:各省官制通則(明治二三年)(1890)一五条)
  4. 主として外交事務に従事する外交官の名称の一つ。
    1. [初出の実例]「大使の西航する、書記官は使命公務の文書を纂め」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉例言)
  5. さいばんしょしょきかん(裁判所書記官)」の略称

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世界大百科事典(旧版)内の書記官の言及

【書記】より

…かつてはその技能をもつのはごく限られた人々であり,古代エジプトでは書記は各分野で重要な役割を果たす官職として尊ばれていた。これがダビデ王時代のユダヤに伝えられ,旧約聖書では〈書記官〉と記されている。ラテン語では〈書く〉を語源とするscribaという語があてられるが,ユダヤ教の教典を記録し解釈する人という意味から,新約聖書では〈律法学者〉の訳が用いられている。…

【観念小説】より

…傾向小説の一つと見てよい。具体的には,泉鏡花の《夜行巡査》《外科室》(ともに1895)や川上眉山の《書記官》《うらおもて》(ともに1895)などで,いずれもそのころの明治資本主義社会の内面にひそむ矛盾や問題点を指摘し,読者に訴えようとしている。深刻小説【岡 保生】。…

※「書記官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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