高倉山古墳(読み)たかくらやまこふん

日本歴史地名大系 「高倉山古墳」の解説

高倉山古墳
たかくらやまこふん

[現在地名]伊勢市豊川町 高倉山

標高一一五・八メートル。山地一帯は外宮の神域。「伊勢名勝志」は高佐たかさの山・日鷲ひわし山・賀利佐我かりさが峰・佐貴さき山・鶏不驚山・音無おとなし山・郭公不為声ほととぎすこえをせぬ山などの別称をあげる。「神都名勝誌」に「旧記に多賀佐山或は高坐山と記せりしを、後に坐をくらと読みしより終に高倉と訛伝せしなるべし」とみえる。

山頂に古墳があり、墳丘は封土の流出が著しいが、径三二メートル、高さ約八メートルの円墳である。内部構造は巨大な両袖式の横穴式石室で、鎌倉時代にはすでに盗掘を受けており、古来「天の岩戸」としてひろく信仰の対象となっていた。石室は全長一八・五メートル、玄室長九・七メートル、幅三・三メートル、高さ四・一メートル、羨道長八・八メートル、幅二・六メートル、高さ三・三メートルで、玄室面積は全国一位である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android