高富庄(読み)たかとみのしよう

日本歴史地名大系 「高富庄」の解説

高富庄
たかとみのしよう

上竹田かみたけだを中心地域とする荘園竹田高富庄ともいう。成立年代・伝領関係は不明だが、暦応三年(一三四〇)二月一九日付覚本譲状(「福山志料」所収三吉鼓文書)に「せうなんこんはうにゆつりわたす備後国高富庄内つゝミの田畠山林の事」として「一所 正町五段ひすの尻の山河谷畠四段内一段ハ菴屋敷きしんす、一段ハゑひすの神畠なり、のこる二段」「一所 皷迫一段 石坪一段 井坪一段 柳坪一段 御堂のうしろ 但除半 薬師堂荒田一段 なわてそい一段 竹の所ハ一段 ミそ田ハ上壱丁二段半也」「一所 畠小迫屋敷西東 二段ひろはたけ 二段大池奥在 山畠之松茸山ハ地平 東ハ大神戸の上ニ道をかきり 西ハさやの前の迫をかきる 北ハ峯堂上をかきる 南ハ池のうてひをかきるなり」とあり、「右件の田畠山林ハ覚本(重)代所伝所領也、然間小納言房ゆつりわたすところ実也」とみえるようにこの時覚本から少納言房に荘内の「つゝミの田畠山林」が譲られている。ここにみえる覚本、少納言房は三吉みよし(現三次市)本拠を置く三吉氏が承久の乱で朝廷方に属して敗れたのち、三吉氏に代わって三吉の地頭職を得た藤原姓の三吉氏といわれ、少納言房(覚弁)は遅くとも康永二年(一三四三)には鼓氏を名乗っている(五月二一日付「三吉覚弁軍忠状」鼓文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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