高張提灯
たかはりちょうちん
提灯の一種。大形の棗(なつめ)形の提灯で、2本の腕木をもった長竿(ざお)の先に取り付け、その口輪・底輪をとめて高く掲げる。承応(じょうおう)・明暦(めいれき)(1652~58)ごろになって現れたもので、一般にタカハリ、タカヂョウチンとよぶ。提灯には定紋・屋号などを書き、社寺・役所の門前、商家の店頭や、祭礼・葬送の行列などの先頭に高く掲げ、目印として利用された。現在でも、社寺の祭礼、葬礼の際に使われることが多い。
[宮本瑞夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
高張提灯
江戸初期には武家で使われていた照明用具だが、時代が移るにつれて芝居小屋や遊廓でも利用されるようになり、現代では、通夜、葬式の時などに用いられることが多い。卵形をした大きな提灯で、竿の先に高く吊るし、門前に張り出すように掲げたのでこの名称がある。提灯には、家紋や屋号を入れていた。
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たかはり‐ぢょうちん ‥ヂャウチン【高張提灯】
〘名〙 竿などの先にとりつけて、高く掲げるようにした提灯。たかはり。たかぢょうちん。
※歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)
序幕「三十郎替紋の
高張てうちん」
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
世界大百科事典内の高張提灯の言及
【提灯】より
…初め武士によって利用されたが火消人足,御用聞なども使用するようになった。高張提灯は大型の棗形の提灯で,長竿の先につけ,口と底を留めてはった。もっぱら目印として利用され,社寺や役所の門前,商家の店頭や,葬送その他の行列などの先頭に高く掲げた。…
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出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報