高雄寺(読み)たかおでら

日本歴史地名大系 「高雄寺」の解説

高雄寺
たかおでら

[現在地名]當麻町大字新在家

二上山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。開基は役小角と伝える。古くは高尾たかお寺とみえ、一に観興かんこう寺と称した。「元亨釈書」に源信(恵心)誕生譚として「釈源信、姓卜氏、和州葛木郡人也、父名正親、母清氏、父母詣郡之高尾寺求子、母夢、一僧以一顆玉、与之、即有妊、信幼時夢、高尾寺有蔵、蔵中有数鏡、或大或小、或明或暗、一沙門取暗小鏡付信、信曰、此小暗鏡有何用、欲得大明者、沙門曰、只以此鏡至横川瑩磨、覚而大恠」とある。

奈良県五條市の棚本家所蔵大般若経の建仁元年(一二〇一)の奥書に「観興寺 高雄寺別院 神願寺書写了」とみえ、高雄寺の別院として神願しんがん寺の存在が知られ、寺の西方二上にじよう山山腹に神願寺の小字が現存する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高雄寺の言及

【神護寺】より

…高雄山と号する。和気真綱が824年(天長1)奏上して,父清麻呂が創建した河内の神願寺を,現寺地にあった和気氏の氏寺高雄寺(高雄山寺ともいう)と合併,神護国祚真言寺と改称して勅願寺となし,この寺名の上2字をとって神護寺と号したのが,当寺の起源である。高雄寺の時代,唐から帰朝した空海は807年(大同2)勅によって当寺に入り,以後ここを本拠に真言密教の興隆につとめた。…

※「高雄寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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