高麗剣(読み)コマツルギ

デジタル大辞泉 「高麗剣」の意味・読み・例文・類語

こま‐つるぎ【高麗剣/×狛剣】

[名]高麗ふうの剣。環頭大刀かんとうのたち
[枕]高麗剣は柄頭があるところから、「わ」にかかる。
「―わざみが原の行宮かりみやに」〈・一九九〉

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精選版 日本国語大辞典 「高麗剣」の意味・読み・例文・類語

こま‐つるぎ【高麗剣・狛剣】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 高麗伝来の、柄(つか)の頭が鐶(かん)になっている大刀。古く西域地方に発達し、中国に伝わって、龍雀大環と呼ばれた。古墳時代から奈良時代の主要な刀剣様式。〔八雲御抄(1242頃)〕
  2. [ 2 ] [ 一 ]は柄頭を環に作るのを特色とするところから「輪(わ)」と同音の「わ」を語頭に持つ語にかかる。
    1. [初出の実例]「真木立つ 不破山越えて 狛劔(こまつるぎ) 和蹔(わざみ)が原の 行宮(かりみや)天降(あも)り座して」(出典万葉集(8C後)二・一九九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高麗剣」の意味・わかりやすい解説

高麗剣
こまつるぎ

環頭大刀

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世界大百科事典(旧版)内の高麗剣の言及

【刀装】より

…それを柄頭(つかがしら)の形状から分類すると,環頭(かんとう)大刀,頭椎(かぶつち)大刀,圭頭(けいとう)大刀,円頭大刀,蕨手(わらびで)刀などがある。環頭大刀は頭が輪形になっているところからの名称で,元来中国から朝鮮を経て伝えられた形式に属し,高麗剣(こまつるぎ)とも呼ばれている。これに対し,頭が塊状の頭椎大刀は日本独自の様式を示している(大刀(たち))。…

※「高麗剣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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