(読み)ムツ

精選版 日本国語大辞典 「鯥」の意味・読み・例文・類語

むつ【鯥】

  1. 〘 名詞 〙 スズキ目ムツ科の海産魚。全長約一五〇センチメートルに達する。体はやや側扁して長く、目と口が比較的大きい。両顎に一列の犬歯状歯がある。成魚紫黒色を呈するが、若魚は黄褐色を帯びてうろこがはげやすい。東北地方以南、台湾までの沿岸から沖あいに分布。稚幼魚は沿岸の浅所に群れるが、成長とともに沖の深所に移動し、成魚は水深二〇〇~八〇〇メートルの岩礁域に生息する。肉は食用とし、冬に美味。卵巣は「むつのこ」といって賞味する。もつ。めばり。《 季語・冬 》 〔観智院本名義抄(1241)〕

もつ【鯥】

  1. 〘 名詞 〙 魚「かわむつ(川鯥)」の異名
    1. [初出の実例]「あるひと、あざらかなるものもてきたり。よねしてかへりごとす。〈略〉いひぼしてもつつるとや」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「鯥」の解説

鯥 (ムツ)

学名Scombrops boops
動物。ムツ科の海水魚

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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