日本大百科全書(ニッポニカ) 「鱗骨類」の意味・わかりやすい解説
鱗骨類
りんこつるい
[学] Lepisosteida
硬骨魚綱Osteichthyes、条鰭(じょうき)亜綱Actinopterygii、新鰭区Neopterygiiに属する魚類の総称。従来、アミア類とともに全骨類Holosteiに入れられていたが、2006年にカナダの魚類学者ネルソンJoseph S. Nelson(1937―2011)によって改訂された新しい分類体系では、鱗骨目Lepisosteiformes、アミア目Amiiformesとして新鰭類に入れられて、真骨類Teleosteiの姉妹群と考えられている。東部アメリカ、中部アメリカ、およびキューバの淡水域(ときどき汽水、まれに海水)に生息するガーパイクの一群で、鱗(うろこ)は菱(ひし)形の重厚な硬鱗であり、間鰓蓋骨(かんさいがいこつ)がないこと、尾びれは略式異尾(いび)型(異尾型と正尾(せいび)型の中間の型)、鰾(ひょう)(うきぶくろ)は不完全ではあるが左右2室に分かれ肺の形態を備えて、ある程度の空気呼吸ができるなど、真骨類と異なった特徴をもつ。
[尼岡邦夫 2015年9月15日]