鳥羽屋三右衛門 (とばやさんえもん)
長唄,浄瑠璃の三味線方。3世を数えるが,2世,3世については不詳。初世(1712-67)は初名文五郎,のち東武線太夫(あずまぶせんだゆう)と名のる。天下一平左衛門の門弟となり,のち4代目杵屋(きねや)六左衛門に師事し,歌舞伎に出勤したといわれるが,3代目杵屋勘五郎の門弟ともいわれる。三味線の名手で作曲も巧みで,豊後節の作曲者でもあるという。舞台では三味線の曲弾きを勤めて好評を博した。彼は《三鳥三畜(さんちようさんちく)》と呼ばれる6曲の秘曲を作曲したと伝えられ,そのうち《臥猫(ふしねこ)》《狂獅子(くるいじし)》の2曲はのちに補訂されて現在も残されている。
執筆者:植田 隆之助
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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鳥羽屋三右衛門(初代) とばや-さんえもん
1712?-1767 江戸時代中期の長唄・浄瑠璃(じょうるり)三味線方。
正徳(しょうとく)2年?生まれ。鳥羽屋流の祖。師については,天下一平左衛門,4代杵屋(きねや)六左衛門,初代山崎源左衛門など諸説がある。「三鳥三畜(さんちょうさんちく)」といわれる6曲の秘曲を作曲したという。門人に初代鳥羽屋里長(りちょう)。明和4年2月27日死去。56歳?初名は文五郎,後名は東武線太夫。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
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