黄屋(読み)コウオク

デジタル大辞泉 「黄屋」の意味・読み・例文・類語

こう‐おく〔クワウヲク〕【黄屋】

《裏に黄色の絹を張ったところから》昔、中国天子の乗る車をおおう、きぬがさ。転じて、天子・帝王を敬っていう語。

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精選版 日本国語大辞典 「黄屋」の意味・読み・例文・類語

こう‐おくクヮウヲク【黄屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国、漢の時代、天子の乗る車をおおう絹製のかさ。裏を黄色の絹で張ってある。
    1. [初出の実例]「南越王佗が黄屋左纛をつくりし類」(出典:十善法語(1775)五)
    2. [その他の文献]〔史記‐南越尉佗伝〕
  3. 天子を敬っていう語。
    1. [初出の実例]「居黄屋而不驕。役丹符而自約」(出典本朝文粋(1060頃)二・減服御常膳并恩赦詔〈菅原文時〉)
    2. [その他の文献]〔謝霊運‐従遊京口北固応詔詩〕

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普及版 字通 「黄屋」の読み・字形・画数・意味

【黄屋】こうおく(くわうをく)

車蓋をつけた天子の車。〔史記、項羽紀〕是(ここ)に於て王、夜女子を陽(けいやう)の東門に出だし、被甲二千人。楚の兵四面より之れをつ。紀信屋車に乘り、左纛(さたう)(旗)を傅(つ)けて曰く、~ると。楚の軍、皆ぶ。

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世界大百科事典(旧版)内の黄屋の言及

【黄】より

…また《広韻》は黄を中央の色とするが,これは五行思想から東西南北と中央の五方を青白赤黒および黄で象徴したものである。このように黄は地の中央を支配する天子を象徴する色となり,たとえば天子の車を黄屋,天子の鉞(まさかり)を黄鉞,宮城の門を黄門または黄闥と呼んだ。インドでは人民の4階級(カースト)を表す4色(白赤黄黒)のうち黄はクシャトリヤ(王侯・武士階級)の色である。…

※「黄屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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