フコキサンチン(読み)ふこきさんちん(英語表記)fucoxanthin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フコキサンチン」の意味・わかりやすい解説

フコキサンチン
fucoxanthin

褐藻素ともいう。褐藻類に含まれている色素で,カロテノイド一種。化学式 C40H60O6エーテル-石油エーテル混合液からは赤褐色針状晶として得られる。メチルアルコールから得られた結晶 (3分子の結晶メチルアルコールを含むもの) は融点 166~168℃。石油ベンジンには不溶。エーテル溶液を 25%の塩酸と混合すれば塩酸層は深青色となる。光合成の際に補助色素として働く。ケイ藻類にも含まれている。古くフィコフェインといわれた黄褐色の色素物質も褐藻素といわれたが,これは藻体が死んだ場合にフェノール性物質が酸化を受けて2次的に生じたものらしい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フコキサンチン」の意味・わかりやすい解説

フコキサンチン
ふこきさんちん
fucoxanthin

主として褐藻類に含まれる褐色の色素。褐藻素ともいう。カロチノイドの一種で、分子中に酸素を含むので、キサントフィルに属する。褐藻の色の本体で、光合成の際に補助色素として光のエネルギー捕捉(ほそく)する役割を果たしている。吸収したエネルギーの80%をクロロフィルに受け渡すといわれる。

吉田精一

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