黒石寺蘇民祭(読み)こくせきじそみんさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒石寺蘇民祭」の意味・わかりやすい解説

黒石寺蘇民祭
こくせきじそみんさい

岩手県奥州市の天台宗黒石寺で,毎年旧暦 1月7日の晩から翌早朝にかけて行なわれる祭り。年の初めの厄よけ招福の祭りで,裸祭とも呼ばれ,厄年の男を始めとする祈願者の男たちによる,「蘇民将来子孫門戸☆」と書かれた六角柱形の小間木を入れた蘇民袋の争奪戦で知られる。7日午後10時からの厄年の男たちなどが本堂妙見堂を 3回めぐる裸参り(夏参りともいう)に始まり,本堂に向かった男たちがマツの木を井桁に組んで燃やした火で身を清める柴燈木登り(ひたきのぼり),寺の住職別当)とともに蘇民袋が薬師堂に入れられて護摩焚きが行なわれる別当登りと進み,早朝 4時からは鬼子登りが行なわれる。これは,本堂外陣に出された護摩台の上で別当が十二支の形の餅と曼荼羅米をまき,2本の松明が護摩台の上で合わされると,鬼子と呼ばれる手に木斧と小槌を持ち,鬼面を逆さに背負った 7歳の男児 2人が,大人に背負われてその火を 3周しながら飛び越えて本堂に入る。これが終わると蘇民袋の争奪戦となり,蘇民袋が破られて小間木が袋から落ちてからも袋そのものの奪い合いが続き,袋の首部分を最後まで持っていた者が取主(とりぬし)と判定される。袋を奪い合う男たちが東西どちらに進むかによって,豊作方角が決まるといわれる。

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