黒駒牧(読み)くろこまのまき

日本歴史地名大系 「黒駒牧」の解説

黒駒牧
くろこまのまき

歌枕にみえる牧。「くろごまの牧」(初学抄・八雲御抄)、「黒駒の御牧」(後撰集正義)などとある。甲斐の黒駒は古くから名馬として中央でも著名で、「日本書紀」雄略天皇一三年九月条は、処刑する寸前の木工猪名部真根を赦免するため、使者を駿足の甲斐の黒駒で派遣した時、「ぬばたまの甲斐の黒駒鞍着せば命死なまし甲斐の黒駒」と歌われたという説話を載せ、のちには聖徳太子が黒駒に乗って富士山に飛来したとの伝説まで生じた(「聖徳太子伝暦」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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