家庭医学館 「鼻の良性腫瘍」の解説
はなのりょうせいしゅよう【鼻の良性腫瘍 Benigne Tumor】
■乳頭腫(にゅうとうしゅ)
鼻粘膜(びねんまく)の扁平上皮(へんぺいじょうひ)の乳頭状増殖(にゅうとうじょうぞうしょく)で、少しでも残存するとしばしば再発し、悪性化したり、一部にがんを認めたりすることがあります。
鼻閉(びへい)(鼻づまり)が主症状で、鼻出血(びしゅっけつ)が出たりすることもありますが、まれです。
表面が乳頭状の易出血性腫瘍で、起始(きし)部を含めて一かたまりとして全摘(ぜんてき)する必要があります。
■骨腫(こつしゅ)/線維性骨異形成(せんいせいこついけいせい)(症(しょう))
骨腫は前頭洞(ぜんとうどう)に好発し、X線検査で境界鮮明な骨性陰影(こつせいいんえい)がみられます。
線維性骨異形成は上顎骨(じょうがくこつ)に多く、顔面変形が主症状であり、X線検査で境界不明な陰影としてみられ、若い人に多く、発育期(15歳以上)を過ぎれば腫瘍の増大は止まることが多いものです。
■血管腫(けっかんしゅ)
鼻中隔(びちゅうかく)、下鼻甲介(かびこうかい)に好発する茸(きのこ)状の出血しやすい腫瘍です。
治療は、手術で腫瘍を摘出(てきしゅつ)します。