愛の妙薬(読み)アイノミョウヤク(英語表記)L'Elisir d'amore

デジタル大辞泉 「愛の妙薬」の意味・読み・例文・類語

あいのみょうやく〔アイのメウヤク〕【愛の妙薬】

原題、〈イタリアL'elisir d'amoreドニゼッティイタリア語によるオペラ。全2幕。1832年初演。不器用な村の青年がいかさまの薬売りから手に入れた偽の惚れ薬によって美しい富農の娘と結ばれる喜歌劇。第2幕で主人公の青年が歌うアリア「人知れぬ涙」が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「愛の妙薬」の意味・わかりやすい解説

愛の妙薬
あいのみょうやく
L'Elisir d'amore

ドニゼッティのオペラ・ブッファ(喜歌劇)。2幕。フェリーチェ・ロマーニによる台本は、当時のオペラの例に漏れず、ほれ薬をめぐるたわいない筋書きだが、音楽にはブッファ特有の活気がみなぎり、とりわけネモリーノのロマンツェ「人知れぬ涙」は旋律の豊かさで群を抜いている。1832年ミラノ初演。日本では大正時代から抄演されていたが、1959年(昭和34)NHK招聘(しょうへい)イタリア歌劇団によって本格的に上演された。

[三宅幸夫]

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デジタル大辞泉プラス 「愛の妙薬」の解説

愛の妙薬

イタリアの作曲家ガエターノ・ドニゼッティのイタリア語による全2幕のオペラ(1832)。原題《L'elisir d'amore》。19世紀イタリアを舞台とする、惚れ薬をめぐる喜歌劇。

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世界大百科事典(旧版)内の愛の妙薬の言及

【ルチア】より

… ドニゼッティの生前,イタリアでは政情不安定な世相を反映して〈恐怖オペラ〉や〈狂乱オペラ〉が流行したが,この《ルチア》はその種のオペラの典型であり,後半の〈ルチア狂乱の場〉が見せどころとなっている。この作品は,《アンナ・ボレーナ》や《愛の妙薬》とともにドニゼッティのオペラの最上の特質であるベル・カントの流麗な旋律によって今日も親しまれている。日本では,1918年に東京浅草の駒形劇場において原信子主演で一部分が紹介され,23年カーピ・イタリア歌劇団がほぼ全曲の初演を行っている。…

※「愛の妙薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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