犬飼郷(読み)いぬかいごう

日本歴史地名大系 「犬飼郷」の解説

犬飼郷
いぬかいごう

犬飼(犬甘)の地名は鷹飼と関係を有し、天応元年(七八一)朝廷から信濃にて二〇戸という破格の封戸をうけた葛木犬養神に由縁のあるものと推定される(新抄格勅符抄)

中世の犬飼郷は、東は山岳、西は千曲川、南は馬曲まぐせ川によって毛見けみ郷に接し、北は小菅こすげ庄に境する地域である。

元徳元年(一三二九)三月、幕府は犬飼南条地頭等に、諏訪社上社五月会分御射山頭役の結番を定めている(「鎌倉幕府下知状案」守矢文書)。なお、同年犬飼郷が同社の玉垣五間を寄進している(諏訪大社上社文書)

下って至徳四年(一三八七)六月、高梨氏ら国人層の信濃守護斯波義種に反抗する不穏な情勢に備えるため、市河頼房は代官二宮氏泰の子種氏から兵糧料地を預けられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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