申義堂跡(読み)しんぎどうあと

日本歴史地名大系 「申義堂跡」の解説

申義堂跡
しんぎどうあと

[現在地名]高砂市高砂北本

文化年間(一八〇四―一八)姫路藩主酒井忠実が家老河合寸翁の建議によって庶民教育を行うため設立した郷校(兵庫県教育史)。申義堂の土地および建物は町大年寄岸本吉兵衛が提供し、北本きたほん町に設立された。学校の運営は当初は藩費で行われたが、のち岸本家が補助したといわれている(高砂雑志)。申義堂の教育は朱子学が中心で、元日・五節句および毎月五の日を休業日とし、その他は毎日早朝より正午まで四書・五経・小学・近思録・左伝などの素読を行い、進歩した者には会読・輪読を行わせた(高砂小学校創立八十周年記念誌)。教授には菅野松塢・三浦松石・小林梧陽・美濃部秀芳らいずれも高砂の学者が任命され、苗字帯刀、禄米二〇俵が給された(加古郡誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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