死者の弔い方の一つ。通夜や告別式などの儀式を行わず、法律で定められた死後24時間の間、自宅や病院などに安置した後、直接火葬場へ運び、火葬に付す葬儀をいう。近しい人だけが立ち会い、僧侶はよばない場合が多いが、火葬場で読経や祈祷(きとう)が行われることもある。費用は、棺(ひつぎ)、遺体を運ぶ車両代、火葬場の利用料などだけなので20万円前後と、一般的な葬儀費用の1割程度である。以前は経済的に苦しい人や身寄りのない人の福祉的なサービスとして行われる方法であったが、高齢化の影響から、故人の友人関係や職場での人間関係がほとんどなく、参列する人が少ないケースが増えるようになり、葬儀に対する意識が変わり始めていると推測される。2013年(平成25)にNHKが全国の200の葬儀業者を対象に行った調査では、直葬は関東地方で葬儀全体の22.3%を占め、近畿地方では9.1%であった。大都市圏では5件に1件以上あり、葬儀方法の一つの形態として定着したといえる。
[編集部]
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