1996年アメリカ農業法(読み)せんきゅうひゃくきゅうじゅうろくねんアメリカのうぎょうほう

百科事典マイペディア の解説

1996年アメリカ農業法【せんきゅうひゃくきゅうじゅうろくねんアメリカのうぎょうほう】

1996年4月,米国で成立した連邦農業改善改革法。連邦政府の財政赤字削減のため農業に対する保護的措置を減らし,農産物の生産・流通輸出市場原理をより取り入れた点で,米国農政の一大転換を示すものとなった。 具体的には,ニューディール政策以来60年あまり続いた農産物価格支持制度(農家への不足払い制度)と減反制度を廃止し,代りに7年間で総額約356億ドルを農家に直接支払うこと,また野菜と果樹を除くすべての作物作付けを完全に自由化することとした。これまで価格安定のために行われていた食糧備蓄制度も廃止されたが,農産物の市場価格が一定値を下回ったときに融資を行う価格支持融資制度,ECの輸出補助金制度に対抗するための輸出奨励制度,環境保全のための土壌保全留保計画などは継続する。

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