7人制ラグビー(読み)しちにんせいらぐびー(英語表記)rugby sevens

日本大百科全書(ニッポニカ) 「7人制ラグビー」の意味・わかりやすい解説

7人制ラグビー
しちにんせいらぐびー
rugby sevens

1チーム7人の選手からなるチームどうしが対戦する形式のラグビーラグビーフットボール)。通称セブンズsevens。ラグビーには15人制のラグビーユニオンと13人制のラグビーリーグという二つの団体とそれぞれの競技規則があるが、7人制ラグビーは両方の団体で実施されている。本項では、ワールドラグビー(2014年に国際ラグビーボード=IRBから改称)の公認団体であるラグビーユニオンにおける7人制ラグビーについて取り上げる。

 15人制のラグビーはフォワード8人、バックス7人で構成されるが、7人制の場合はそれぞれ3人と4人で構成される。競技フィールドは15人制と同じ大きさで、競技規則もほぼ同じである。7人制の最大の特色は少ない人数でボールを大きく動かすパスが重要になることで、ボールのハンドリング技術、走るスピード、広いフィールドを少人数で守る体力が15人制以上に求められる。スクラムラックモールなどの、密集して行うプレーの重要度は15人制に比べて低い。試合時間は、15人制が40分ハーフ(合計80分)で行われるのに対し、7人制は7分ハーフ(合計14分)である(トーナメント戦の決勝のみ10分ハーフの合計20分で行われる)。ハーフタイムも2分以内と短い反則行為によるシンピン(一時退場処分)は2分間である。

 7人制ラグビーは、1883年にスコットランド南部の都市メルローズで、ラグビーのクラブチームによって考案された。日本では1930年(昭和5)に学士ラガークラブ主催の7人制ラグビー大会が行われた。1993年(平成5)からは4年に1度の国際大会であるラグビーワールドカップセブンズが始まり、日本代表チームは第1回大会から出場している。また、1999―2000年シーズンからは、IRB(当時)公認のワールドセブンシリーズが開催され、世界各地を転戦して年間チャンピオンを決めるシステムとして確立された。日本国内のトーナメント大会としては、もっとも歴史の長いYC&AC(横浜カントリー&アスレチッククラブ)主催のYC&AC JAPAN SEVENS(1959~ )、社会人大学のトップチームが男女別のトーナメント方式で対戦するジャパンセブンズ(1993~ )が毎年開催されている。オリンピックでは、2016年に開催されたリオ・デ・ジャネイロ大会から、ゴルフとともに7人制ラグビーが新たに採用された。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「7人制ラグビー」の意味・わかりやすい解説

7人制ラグビー
しちにんせいラグビー

1チーム7人ずつで行なうラグビー。通常フォワード3人,バックス4人で構成される。 19世紀末にスコットランドで始められた。グラウンドの大きさは 15人制と同じだが,試合時間が7分または 10分ハーフと短く,ランニングプレー,パスプレーが多いため,スピーディーでスリリングな試合展開がはかれる。試合時間が短いため,短時間でゲームを消化できるので,トーナメント大会に向いている。国際的には,1993年からワールドカップが開催され,1999年には毎年世界各地のおよそ 10ヵ所を転戦して総合優勝を決めるワールドシリーズも始まった。7人制大会のビッグイベントである香港セブンもワールドシリーズに組み込まれている。日本では外国人クラブの横浜カントリーアンドアスレティッククラブ (Y.C.&A.C.) 主催による大会が 1959年から開かれ,社会人や大学の有力チームが参加している。 1993年には日本ラグビーフットボール協会主催のジャパンセブンズが実現した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android