短い(読み)ミジカイ

デジタル大辞泉 「短い」の意味・読み・例文・類語

みじか・い【短い】

[形][文]みじか・し[ク]
端から端までの隔たりが小さい。「―・いスカート」「髪の毛が―・い」⇔長い
ある時点までの間隔が小さい。久しくない。「人生は―・い」「日が―・くなる」⇔長い
(「気が短い」の形で)短気だ。せわしい。「気が―・くてすぐどなる」⇔長い
位が低い。身分が卑しい。
「身は沈み位―・くて人げなき」〈帚木
思慮が浅い。劣っている。
「おのれが―・き才をもて長物語のこの小冊」〈滑・浮世床・序〉
[派生]みじかげ[形動]みじかさ[名]
[類語](1短め短小寸足らず寸詰まり最短ちんちくりんつんつるてんショート三寸縮める縮まるつづめる詰める切り詰める短縮する狭める縮小する約する縮約する圧縮する/(2しばらしば暫時少時ひとしきり束の間時の間瞬く間見る間に刹那咄嗟とっさ一時いっとき一時ひととき半時寸陰短時間一時一時的かりそめ短日月短時日一朝一朝一夕寸刻寸時寸秒片時かたとき瞬時瞬間一瞬数刻たまゆら須臾しゅゆ電光石火はかないあっと言う間間髪をれず

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「短い」の意味・読み・例文・類語

みじか・い【短】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]みじか・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 空間的に連続している線状的なものについて、一方の端から他方の端までの隔たりが、相対的に小さいさま。
    1. [初出の実例]「海松の引干のみじかくちぎりたるを結ひあつめて」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「みじかくてありぬべきもの、とみのもの縫ふ糸。下衆女の髪」(出典:枕草子(10C終)二三四)
  3. 空間的に上の方までひろがりのないさま。低い。また、背が低い。
    1. [初出の実例]「このこやくしといひける人は、たけなむいとみじかかりける」(出典:大和物語(947‐957頃)一三八)
  4. 転じて、身分、位などが上位でないさま。高貴でないさま。
    1. [初出の実例]「高き者を下くあらしめ下(ミシカキ)者を高くあらしむること能はず」(出典:大智度論天安二年点(858))
  5. 時間について、ある時点から連続している他の時点までの隔たりが、相対的に小さいさま。久しくないさま。
    1. [初出の実例]「我妹子に恋ふるに我はたまきはる美自可伎(ミジカキ)命も惜しけくもなし」(出典:万葉集(8C後)一五・三七四四)
  6. 比喩的に、心や気質性質についていう。
    1. (イ) 思慮、性格などに欠けるところのあるさま。鈍いさま。劣っているさま。浅薄なさま。
      1. [初出の実例]「玉の緒の みじかき心 おもひあへず〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇二)
      2. 「又呉王も智浅くして、はかり事みじかし」(出典:曾我物語(南北朝頃)五)
    2. (ロ) 長続きしないさま。変わりやすいさま。薄情なさま。
      1. [初出の実例]「長からぬ命のほどに忘るるはいかにみじかき心なるらん」(出典:伊勢物語(10C前)一一三)
  7. ( 「気が短い」の意で ) 短気なさま。せっかちなさま。
    1. [初出の実例]「キノ mijicai(ミジカイ) ヒト」(出典:日葡辞書(1603‐04))

短いの語誌

用法は、中古に低いという意を表わす形容詞がほかになかったことによる。したがって、タカシと対義的に用いられている例も見られる。中世から、「ひきし」が使われるようになって、「みじかし」を低い意味で使うことはなくなった。

短いの派生語

みじか‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

短いの派生語

みじか‐さ
  1. 〘 名詞 〙

みじっか・い【短】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 「みじかい(短)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「みじっかく牛戸をよんてせなあ来る」(出典:雑俳・柳多留‐一八(1783))

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