ラック(読み)らっく(英語表記)rack

翻訳|rack

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラック」の意味・わかりやすい解説

ラック
rack

平らな板または棒の一面に,等間隔に同形の歯を刻んだもの。平歯車ピッチ円直径が無限大になったものと考えてよく,インボリュート歯形ではラック歯形直線になる。ラックは小歯車 (ピニオンともいう。1対の歯車で歯数の少いほうの歯車) と噛み合せて用いられ,自動車のステアリング部品にも組込まれている。また,ラックは歯車の歯切り用のカッタ (ラックカッタ) としても利用される。 JISでは,標準歯車に定められた諸元を有するラックを基準ラックとして規定している。ラックの歯の厚さがピッチの2分の1になるような特定のピッチ線を基準ピッチ線といい,基準ラックの空間部分を切刃部とした工具を基準ラック形工具と呼ぶ。

ラック
Lacq

フランス南西部,ピレネーザトランティク県の村。小村であるが,1951年,付近で石油・天然ガス田が発見され注目を浴びた。特に天然ガス埋蔵量は世界的規模で,現在 30以上のガス井が掘られ,パイプラインがこの村から南西フランス各地に延びている。ガソリン,プロパンなどのガス化学工業コンビナートが形成され,ガスに含まれる硫化水素の処理により,年 180万t以上の硫黄分離。またガス火力発電所がアルミニウム工場のためにつくられている。新しい町ムーランルヌヌにコンビナートが展開しつつある。人口 664 (1990)

ラック
lac

スチックラック (粗ラック) ,シコウ,ハナモツヤクともいう。ラックカイガラムシの雌虫が体表に分泌した樹脂状物質。精製したものはシェラックと呼ばれ,塗料 (ワニス) ,封ろう,電気絶縁材料などに用いられる。粗ラックの水溶性成分は赤色アントラキノン色素を含み,古くは染料 (ラックダイ) として用いられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラック」の意味・わかりやすい解説

ラック
らっく
rack

直線状に歯をつけたまっすぐな棒状のもの。円形歯車の直径が無限大となったと考えることもできる。直線状なので車ではないが、歯車の一種として取り扱っている。ラックとかみ合う小歯車をピニオンpinionといい、回転運動を直線往復運動に変えたり、またはその逆の運動を得たいときに使用される。

[中山秀太郎]


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