BAM(読み)バム

改訂新版 世界大百科事典 「BAM」の意味・わかりやすい解説

BAM (バム)

ロシア連邦東シベリア,極東を通る鉄道。バイカル・アムール鉄道Baikalo-Amurskaya Magistral’の略。レナ川上流のウスチ・クートからニジネアンガルスク(バイカル湖北岸),ティンダ(シベリア鉄道のバム駅まで鉄道が通じている)を経てアムール川下流のコムソモリスク・ナ・アムーレまでの全長3145kmの鉄道線。1974年に着工され,84年レール敷設を完了した。シベリア開発が1950年代から本格化するにつれシベリア南部を東西に走るシベリア鉄道から支線各所北方にのびていったが,BAMの建設は,それらを連絡し,資源開発をより効果的にすすめようとのねらいをもち,レナ川流域の森林資源,バイカル湖北部の多種の鉱物資源,ウドカン地区の銅鉱など多様な開発が企図されている。

 BAMはまた,東はコムソモリスク・ナ・アムーレから鉄道で太平洋岸のソベツカヤ・ガバニ(さらにサハリンまでフェリーで連絡)に通じ,西はウスチ・クートからブラーツクを経てタイシェトでシベリア鉄道と接続しているので,シベリア鉄道よりも数百km短くヨーロッパ・ロシアと太平洋岸を結ぶことになる。シベリア鉄道の北方180~500kmを走るこの鉄道の開通により,サハリン,沿海州などの極東とヨーロッパ・ロシア間の輸送力は相当の増大が見込まれ,BAMが〈第二シベリア鉄道〉ともいわれるのはそのためである。1990年に営業運転を開始した。なお,ヤクーツクまで延びる支線のアムール・ヤクーツク鉄道(1050km)にも1985年着工している。
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世界大百科事典(旧版)内のBAMの言及

【アマチュア無線】より

…ハムhamともいわれる趣味の一つであるが,国際電気通信条約付属無線通信規則や電波法施行規則によれば,〈金銭上の利益のためでなく,もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練,通信および技術的研究の業務〉のための無線通信である。世界共通の周波数帯を使って国内国外のアマチュア局と交信し,通信技術の研究を行うほか国際親善につとめている。…

【食肉加工】より

…食肉の冷蔵,冷凍やハム,ソーセージ,肉缶詰,カレーなどの肉を使ったレトルト食品の製造,ハンバーグ,コロッケなどの冷凍食品の製造およびこれらの肉製品の包装を食肉加工という。広義には魚肉も食肉であるが,一般にはウシ,ブタなどの畜肉と鶏肉などの食鳥肉の加工を意味する。…

※「BAM」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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