知恵蔵 「AlphaGo」の解説
AlphaGo
囲碁は、終局までの手順が10の360乗通りにも及ぶといわれていることから、チェスや将棋よりも次の手を読む作業が複雑であり、コンピューターが人間に勝てない唯一のゲームとされていた。しかしAlphaGoは、ディープラーニングの手法を取り入れ、過去のプロ棋士の対局記録を基に、AlphaGo自身を相手にした対局を何千万回も繰り返したことで知識を深め、人間の直観に相当する力を磨き、勝利を得た。
なお、16年の年末には、東アジアを中心にしたオンライン囲碁対局サービス「東洋囲碁」に、AlphaGoが「Magister」というIDで登場し、中国のトップ棋士や、韓国ランキング1位の棋士らと対局し、30戦全勝した。また、17年の年始には、中国の囲碁サイト「野狐囲碁」に「Master」というIDで登場し、中国、韓国、日本のトップ棋士らを相手に、更に30戦全勝するなど、着実な進化を遂げている。
(横田一輝 ICTディレクター/2017年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報