AMDVirtualization(読み)えーえむでぃーばーちゃらいぜーしょん

ASCII.jpデジタル用語辞典 の解説

AMD Virtualization

2006年に登場した第二世代型Opteron(オプテロン)などに搭載されたAMDの仮想化支援機構ハードウェア仮想化技術、およびその命令セットをさす。仮想化を実現するシステム(ホストOSやハイパーバイザー)では、仮想マシン上で動作する仮想OS(ゲストOS)がシステムに重大な影響を及ぼす“特権的な振る舞い”をすると、仮想システム自体の動作が妨げられる。このため、システムではゲストOSがCPU特権命令を発行するのを予想して制御をフックしたり、あるいは事前にゲストOSを書き換えたりしておく必要がある。ただ、1)事前のゲストOSの書き換えには手間がかかる、2)ゲストOSを監視し、モードを切り替えるにはオーバーヘッドが大きくなり、処理速度が大幅に低下する、といったデメリットがあった。AMD-Vでは、新たなCPU動作モードを設け、仮想専用の環境を用意。同時に、切り替え時に発生する論理アドレスと物理アドレスの変換履歴をバッファする機構(TLB)などを設け、ハードウェアで仮想システムを支援することで、オーバーヘッドの解消を実現している。なお、仮想環境のハードウェア支援機構は、インテルも「Intel Virtualization Technology」(Intel VT)として提供している。AMD-VやIntel VTの利用には、両社の命令セットに対応したホストOSや仮想化システムが必要だ。また、システムによっては、支援機構が動作するCPUコア数に制約がある。

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