CHINCOM(その他表記)China Committee

山川 世界史小辞典 改訂新版 「CHINCOM」の解説

CHINCOM(チンコム)
China Committee

COCOM(ココム)の下部組織として1952年に発足した,中国に対する戦略物資・技術の輸出統制委員会の略称。対中国向けは対ヨーロッパ共産圏諸国よりも厳しい輸出統制(チャイナ・ディファレンシャル)を実施したが,57年イギリスの反対でこれを撤廃,他の国々も追随した。以降アメリカ単独で対中輸出統制を続行し,CHINCOMは実質的に崩壊した。組織としては71年まで存続

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

関連語 ココム

世界大百科事典(旧版)内のCHINCOMの言及

【COCOM】より

…アメリカはレーガン政権の成立(1981)以来,汎用高度技術の対ソ移転規制に本格的に乗り出し,COCOMの機能・機構の強化を加盟国に求めてきたが,意見調整が難航している。なお,中国などアジアの共産圏諸国向け貿易統制を行う,COCOMの分科会ともいうべきCHINCOM(チンコム)(China Committeeの略称)が1952年に発足したが,57年に廃止され,COCOMに一本化された。 ソ連崩壊後,冷戦が終結したことで役割を終えたとして94年解散した。…

【東西貿易】より


[東西貿易の歴史]
 東西貿易の盛衰は,両体制の主導国である米・ソの対外政策に強く影響される。アメリカの主導により1949年設立されたCOCOM(ココム)の対共産国禁輸品目リスト(COCOMリスト)や51年に発足したCOCOMの分科会ともいうべきCHINCOM(チンコム)の対中国禁輸品目リスト(CHINCOMリスト)は,アメリカの対共産圏・対中国政策を反映した安全保障措置(ともに武器関連商品・技術の禁輸措置)にほかならない。しかし,これも超大国間の緊張の緩和・激化に応じて運用が変わった。…

※「CHINCOM」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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