20世紀西洋人名事典 「D.フェルナンデス」の解説
D. フェルナンデス
Dominique Fernamdez
1929 -
フランスの小説家。
パリ生まれ。
文学博士号をイタリア作家パベーゼの研究で取得。ナポリで教鞭をとり、1966年以降レンヌ大でイタリア文学を講じる。又同時に著作、文芸時評、音楽批評と幅広く活躍。作品の根幹はイタリア文学で、自ら同性愛者であることを隠さぬ作者らしい熱っぽい告白体のうちに、魂の苦悩や不安、性差別のない社会への希求などが語られ、同時に文化的背景、一つの時代までを博識をもとに再現。作品は多くの実在人物を借りて語られるのが特長で同性愛者達の「薔薇色の星」(’78年)、「ジャスミンの花を耳に」(’80年)、ゴンクール賞受賞の「天使の手の中で」(’82年)や、初期ロマン派の青年画家「愛」(’85年)、、エイズ問題を扱った「のけ者の栄光」(’87年)、評論「木、その根まで」(’72年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報