日本大百科全書(ニッポニカ) 「EPEAT」の意味・わかりやすい解説
EPEAT
いーぴーと
パソコンやモニターなどの電子機器製品、コピー機やプリンターなどの画像機器製品、テレビが、環境に配慮した製品であることを示す基準。Electronic Product Environmental Assessment Toolの略で、電子製品環境評価ツールともいう。アメリカ電気電子学会(IEEE:The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)が策定したIEEE1680という規格をもとに、アメリカの非営利団体(NPO)グリーン・エレクトロニクス協議会(GEC:Green Electronics Council)が管理し、製品の評価を行っている。製品の登録を希望するメーカーは、GECに対して申請を行う。2006年に電子機器製品について運用を開始、2009年からはアメリカ以外の製品も登録申請できるようになり、2013年からは画像機器製品とテレビにも運用されている。
評価された製品は、環境負荷のパフォーマンスによって、ゴールド、シルバー、ブロンズの三段階に分類され、認定製品として登録される。評価項目として、環境に負荷を与える材料の軽減や除去、使用済み後を考えた設計、耐用年数、省エネルギー、梱包(こんぽう)への配慮、企業の業績など、電子機器とテレビは8分野、画像機器は10分野が設定されている。必須基準(電子機器23項目、画像機器33項目、テレビ24項目)と、オプション基準(電子機器28項目、画像機器26項目、テレビ29項目)に分かれていて、必須基準をクリアした製品がブロンズ、必須基準をクリアしたうえでオプション基準の50%以上を満たした製品がシルバー、同様に75%以上を満たした製品がゴールド評価になる。アメリカの連邦官庁におけるIT関連製品の調達要件として採用されていて、購入する関連製品の95%以上をEPEAT認定製品にするよう義務付けられている。そのため、アメリカを中心とする環境評価基準の一つとして、認定を進める日本のメーカーも増えている。
[編集部]