知恵蔵 の解説
IntelliJ IDEA
IntelliJ IDEAは、2000年2月に創業した、チェコ共和国のジェットブレインズ(JetBrains, s.r.o.)社が開発した。IntelliJ IDEAのようなソフトウエアは、IDE(Integrated Development Environment 統合開発環境)と呼ばれる。IDEには、プログラム言語の文法にのっとって、作成されたファイル「ソースコード」の構成が分かりやすいように色分け表示されたり、作成したプログラムの不具合を発見するための様々な機能やツールが搭載されており、効率よくアプリケーション開発が行えるソフトウエアとして利用されている。
IntelliJ IDEAは、他のIDEよりも、特に「コード補完」や「リファクタリング」機能が優れていると言われている。コード補完とは、ソースコードを途中まで入力すると、候補となる文字列の一覧が表示され、そこから選択することで、入力の手間が大幅に省ける仕組みであり、リファクタリングとは、プログラムの正しい実行結果を保持したまま、ソースコードの構造を見直し、既に入力したコードを打ち換えたり、以前入力したコードに戻したりといった機能を指す。
IntelliJ IDEAは、Windows、Mac OS X、Linuxの三つの基本ソフト(OS)に対応しており、オープンソースで無償だが一部機能のみ利用可能な「Community Edition」と、有償の「Ultimate Edition」がある (Ultimate Editionは、学生や教員が非商用で利用する場合は無料)。ところで、Javaの開発環境として有名なIDEには、「Eclipse(エクリプス)」がある。Eclipseは、「plug in(プラグイン)」と呼ばれる、アプリケーションの機能を拡張するためのプログラムが豊富な点が大きな特徴であり、Androidアプリケーションの開発も、当初はEclipseで行われてきた。
しかし、2013年、Androidの開発元であるGoogle社が、IntelliJ IDEAをベースにした「Android Studio」という独自のIDEを発表している。
ちなみに、ソフトウエア開発会社のZeroTurnaroundによる調査では、2014年までは、JavaのIDEとして、EclipseがIntelliJ IDEAよりもシェアが高かったが、16年以降逆転している。
(横田一輝 ICTディレクター/2018年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報