ツール(英語表記)Tours

翻訳|Tours

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツール」の意味・わかりやすい解説

ツール
Tours

フランス中西部,アンドルエロアール県の県都。パリの南西約 200kmに位置し,ロアール川とその支流シェール川の合流点にのぞむ。ロアール・ワインの集散地,ロアール河谷観光の中心地として有名。ガロ・ローマ時代はカエサロドゥヌムと呼ばれ,3世紀以来キリスト教化が進み,クロービスのもとでフランク王国領となった。 732年,フランク軍がイスラム軍を破ったツール=ポアティエの戦いの地。その後百年戦争,ユグノー戦争などのなかでも絹織物業を中心に繁栄を続けたが,ナント勅令の廃止で産業は一時衰退。 18世紀末にはバンデーの反乱に対する作戦の基地となった。近年は工業の発展が著しく,印刷,家具,機械,製薬,鉄綱,化学などが盛ん。また,ワイン取引を中心とした商業も盛んである。ギーズ塔 (12世紀) ,ルイ 11世の居城ゴシック様式の聖ガティアン聖堂 (13~16世紀,ステンドグラスで知られる) などの史跡のほか美術館,大学などがある。文豪バルザックの生地。人口 13万5480(2008)。

ツール
Toul

フランス北東部,ムルトエモーゼル県西部にある町。ナンシーの西約 20km,モーゼル川とマルヌ=ライン連絡運河に沿う。ガロ・ローマ時代にはトゥルムと呼ばれたこの地方の中心都市で,中世には自由都市としてモーゼル・ワインの取引で繁栄した。 1552年アンリ2世 (在位 1547~59) に占領され,1648年正式にフランス領となった。その後,要塞化が進み,1700年には築城家ボーバンによって城壁 (一部現存) が築かれた。普仏戦争,第1,第2次世界大戦では激戦地となった。繊維工業陶器の生産,ワインやブランデーの取引が盛ん。聖エティエンヌ大聖堂 (13~15世紀) ,聖ジャング聖堂 (13~14世紀) などがある。人口1万 7702 (1990) 。

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