知恵蔵 「MeeGo」の解説
MeeGo
2010年3月31日にLinux普及促進団体の非営利組織Linux Foundationが、MeeGoディストリビューションの基盤機能やOSベースを公開した。同団体が運営するMeeGoプロジェクトでは、ネットブック、タブレットPC、スマートフォン、テレビ、カーナビなどでの利用を想定に開発を進めている。
Intel社のMoblinは、Atomプロセッサとの組み合わせで、ネットブックや同社が提唱したMID(モバイルインターネットデバイス)市場をターゲットに開発されてきた。一方、Nokia社のMaemoは、Atomの競合プロセッサでもあるARMを搭載したスマートフォン市場でのプラットフォームとして開発されてきたため、両者が統合されることで、広範囲のデバイス向けプラットフォームが実現することになる。
MeeGOでは、GUIを実現するUIフレームワークとして人気のあるQtが利用される。Qtは、Linuxの他、Windows、MacOSなどのプラットフォームに対応しており、クロスプラットフォームで動作するアプリケーションの開発が可能でかつ容易である。
ちなみに、アプリケーションのダウンロードや購入が可能な「アプリケーション・ストア」として、これまでMoblin向けの「AppUpCenter」、Maemo向けの「OVi Store」が開設されているが、MeeGoではこれら両方が利用できるなどといった利点もある。
MeeGoの初期バージョンは10年第2四半期にリリースされる予定。MeeGO搭載デバイスは早ければ10年後半に登場する見通しとなっている。
(横田一輝 ICTディレクター / 2010年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報