GUI(読み)じーゆーあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「GUI」の意味・わかりやすい解説

GUI
じーゆーあい

グラフィカル・ユーザー・インターフェース(Graphical User Interface)の略。コンピュータの画面に「アイコン」とよばれる絵文字を使ったり、画面をスクロールするために「ボタン」をかたどった部品の絵を使ったりして、パーソナルコンピュータ(パソコン)を直感的に、しかも簡単に操作できるようにしたもの。それまでのコンピュータは画面に文字しか表示できず、キーボードから命令コマンド)を打ち込まなければならなかったのでユーザーが習熟するまでに時間がかかったが、GUIでは画面上で位置をさし示すマウスという装置を使って操作するので習得も簡単になる。また、画像を文字といっしょに表示したり、文字もさまざまなデザインの書体を使えたりと、より表現力の高い表示ができるようになる。人間と機械の間をより使いやすくしたヒューマン・インターフェースの一種といえる。Mac OS(マッキントッシュの基本ソフト)やWindows(ウィンドウズ)などに組み込まれた現在のGUIは、Xerox(ゼロックス)社のPARC(パロアルト研究センター)によって1970年代前半に開発されたものが原型になっている。

[中島由弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「GUI」の意味・わかりやすい解説

GUI
ジーユーアイ
graphical user interface

コンピュータを操作する際,画面上のアイコンやメニューをマウスポインタと合わせて選び,マウスのボタンを押す(クリックする)だけでアプリケーションプログラムの起動やその他の文書管理ができるようにすること。人間の身のまわりの机の上や文房具などをなぞらえてコンピュータの画面上に実現させ,文字によるコマンドを知らなくても直感的に操作できるのが特徴。たとえば,表示を拡大したければ虫めがねのアイコンをクリックし,選んだ部分をカットしたければはさみのアイコンをクリックする。このようにすれば,ファイルを開いたり保存したりするなど,同じような操作手順は複数のアプリケーションである程度統一することができる。選ぶべきアイコンとその内蔵する機能という仕組みはオブジェクト指向の考え方であり,アメリカ合衆国企業ゼロックスのパロアルト研究所のアラン・ケイがワークステーションAlto(アルト)」で実現した(→オブジェクト指向プログラミング)。これはのちのアップルのマッキントッシュやマイクロソフトウィンドウズの GUIにつながっている。

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