NST(読み)えぬえすてぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「NST」の意味・わかりやすい解説

NST
えぬえすてぃー

Nutrition Support Teamの略で、栄養サポートチームあるいは栄養支援チームとよばれる医療専門チームをさす。栄養スクリーニングによって栄養管理が必要と判断された患者に対し、看護師、管理栄養士、薬剤師臨床検査技師、および理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーションスタッフらと医師が横断的に連携・協力し、各職種の専門性を生かしてもっとも適切な栄養支援を行う。栄養支援は、栄養スクリーニングによる栄養状態の判定(栄養不良など)に基づき、その患者に適切な栄養管理法を選び、個別栄養指導や栄養療法により栄養状態を改善すると同時に、原疾患の治療を促進し、栄養療法の効率化をはばむ合併症を予防することを目的とする。経口摂取による栄養状態の改善が第一であるが、それができない場合には静脈栄養のほか、経鼻チューブもしくは腸瘻(ろう)や胃瘻造設などによる経管栄養も検討する。また外来患者にも、病態にあった適切な食事内容について個別食事指導を行う。

 NSTは、1970年にアメリカのシカゴで設立されたのが最初で、日本では1990年代の終わりに活動が始まり、2001年(平成13)には日本静脈経腸栄養学会がプロジェクトを立ち上げ、それ以来NSTの稼働施設は年々急速に増加している。その背景には、2006年に栄養管理実施加算が認められ、また、2010年に患者の病態に即した栄養管理および栄養療法に対する栄養サポートチーム加算が新設され、診療報酬上で算定されるようになったことがあげられる。

 また日本静脈経腸栄養学会では、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士および歯科衛生士などの経験者を対象に、栄養サポートチーム専門療法士(NST専門療法士)の認定資格制度を設け、これに合格した者に資格を与えている。

[編集部 2017年3月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

内科学 第10版 「NST」の解説

NST

nutrition support team,栄養サポートチーム

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