日本大百科全書(ニッポニカ) 「SDQ」の意味・わかりやすい解説
SDQ
えすでぃーきゅー
およそ3歳から16歳くらいまでの子供についての、多側面における行動上の問題に関するスクリーニング尺度。Strengths and Difficulties Questionnaireの略称で、日本では「子どもの強さと困難さアンケート」と訳され、子育てSDQともいう。イギリスを中心にドイツや北欧などのヨーロッパ諸国で広く用いられており、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害、行為障害などの測定について信頼性が高く評価されている。
SDQには、(1)反抗や反社会的行動などの行為面、(2)集中力の欠如や多動性などの多動と不注意の問題、(3)抑うつや不安などの情緒面、(4)友人からの孤立や不人気などの仲間関係、(5)協調性や共感性などの向社会性、の五つのサブスケールに当てはめられた25の質問項目がある。その回答から、領域それぞれについての支援の必要性が「ほとんどない(Low Need)」「ややある(Some Need)」「おおいにある(High Need)」の、どのレベルであるかを導き出す。保護者による回答と保育士や幼稚園教諭等による回答とをセットにすることで、家庭と集団の両方での立場を評価する。
日本で子供の行動評価法として定着している「子どもの行動チェックリスト」よりも質問の数が少なく、総体的な支援の必要性を簡便に測ることができるとされている。
[編集部]