知恵蔵 「WannaCry」の解説
WannaCry
WannaCryは、Windowsを基本ソフト(OS)とするパソコンをターゲットにしており、感染したパソコンには、インターネット上で利用できる仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」で、300米ドルの支払い要求が表示される。更に、3日以内に支払わなければ身代金は倍額に、1週間以内に支払わなければ、暗号化されて読めなくなっているファイルを削除するというメッセージが表示される。また、WnanaCryに感染すると、同一ネットワーク上にあるパソコンのファイルも全て暗号化されてしまう危険性があり、2017年5月12日以降、実際に世界100カ国以上で、何十万台というコンピューターがWannaCryの被害を受けている。
一般的なランサムウエアは、ユーザーが、不審なウェブサイトのリンクをクリックしたり、受信メールに添付されているファイルをダウンロードしたりするなどといった操作によって感染するが、WannaCryは、Windowsの脆弱性を悪用して感染するため、ユーザーが操作に注意していても防ぐことはできない。
ちなみに、WannaCryの感染を防ぐためには、マイクロソフト社が提供する、Windowsの脆弱性を修正した最新のセキュリティー更新プログラムをインストールするか、WannaCryの感染を防ぐ対策を備えているセキュリティーソフトをインストールするといった対策が挙げられる。
(横田一輝 ICTディレクター/2017年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報