日本大百科全書(ニッポニカ) 「WMC」の意味・わかりやすい解説
WMC
だぶりゅーえむしー
世界気象中枢World Meteorological Centreの略称。世界気象機関(WMO)が構築する全球データ処理・予報システム(GDPFS:Global Data Processing and Forecasting System)のネットワークの中継点・世界的拠点。ワシントン(アメリカ国立気象局NWS:National Weather Service)、モスクワ(ロシア水文気象環境監視局Federal Service for Hydrometeorology and Environmental Monitoring of Russia)、メルボルン(オーストラリア気象局Bureau of Meteorology)の3か所にある。WMO加盟国(および地域)が協力して地球規模の気象観測を行い、その観測結果をすみやかに各国が共有・交換・利用するという世界気象監視計画(WWW:World Weather Watch)を推進すべく設置された。全地球規模の気象通信ネットワークの中枢であり、気象解析や予報・通信のほか、データを集積する資料センターとしても機能する。
各WMC間は大容量の通信回線で結ばれている。さらに、国を越えた広域地域を担当する地域特別気象中枢(RSMC:Regional Special Meteorological Centre)や、各国の国家気象中枢(NMC:National Meteorological Centre)とも通信回線でつながっている。通信障害がおきても迂回ルートで気象情報がすみやかに入手できるシステムをもつ。
[饒村 曜]