三階（読み）サンガイ

デジタル大辞泉

さん‐がい【三階】

《「さんかい」とも》
１ 建物で、2階の上にさらに1階あること。また、その階。「三階建て」
２ 歌舞伎劇場の楽屋の3階。また、3階の大部屋に詰めた、名題下以下の立役の役者のこと。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さん‐がい【三階】

1. 〘 名詞 〙 ( 「さんかい」とも )
2. ① 建築物で、二階の上にさらにもう一階あること。また、その階。
   1. [初出の実例]「Tristega〈略〉Sangaino(サンガイノ) イエ」(出典：羅葡日辞書（1595）)
3. ② 歌舞伎劇場の楽屋で、下級俳優のいる大部屋。また、そこにいる下級俳優をいう。大部屋。
4. ③ ( 海側に張り出し、道路下に一階があり、全体で三階だてであったところから ) 江戸時代、品川遊里の妓楼をいう。
   1. [初出の実例]「三がいに居るを汐干に母あんじ」(出典：雑俳・柳多留‐二一（1786）)
5. ④ 宮中の南面した三つの階段。
   1. [初出の実例]「於_レ是三階平煥、四海殷昌 旒絋無為 巖廊多_レ暇」(出典：懐風藻（751）序)
   2. [その他の文献]〔班固‐西都賦〕
6. ⑤ 三つの段階。また、位階を三つ越えて昇進すること。
   1. [初出の実例]「鎌倉の前兵衛佐頼朝朝臣、従二位し給ふ。越階とて二階をするこそありがたき朝恩なるに、是はすでに三階なり」(出典：平家物語（１３Ｃ前）一一)
7. ⑥ 仏語。仏教の衰退の歴史とそれに対応する教えを三段階に区別したもの。中国隋代の信行の説。
   1. [初出の実例]「昔信行禅師之立_二三階行業_一、孝慈比丘之止_二一乗読誦_一、全不_レ軽_二大乗_一、量_二末世機_一制_二止其行_一」(出典：興福寺奏状（1205）)

出典　精選版 日本国語大辞典