保護基(読み)ほごき(その他表記)protecting group

改訂新版 世界大百科事典 「保護基」の意味・わかりやすい解説

保護基 (ほごき)
protecting group

水酸基カルボニル基アミノ基など反応性に富む官能基が分子内に含まれる場合,これらの官能基に影響を与えることなくある反応が行えるように,一時的にこれらの官能基を反応条件で化学変化を受けないような形にしておくことを官能基を保護するといい,保護した官能基を保護基と呼ぶ。保護された官能基は反応後,もとの形に戻されることもあれば,そのままで次の反応が行われることもある。
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関連語 友田

化学辞典 第2版 「保護基」の解説

保護基
ホゴキ
protecting group

多官能性化合物の特定の官能基だけを変換反応させる際に,ほかの官能基が反応しないように一時的に保護する基の総称.たとえば,-OHエーテルに変換する際に-NH2がある場合には,ベンジルオキシカルボニル基アシル基ベンジル基などで保護しておくか,-CH=CH-を-CH2CH2-に還元する際に-CHOがあれば,アセタール基で保護しておく.変換終了後,特定の保護基を脱保護して次の反応を行う必要があることを考慮すると,有機合成では保護基の選択は非常に重要である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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