卵の化石(読み)たまごのかせき

共同通信ニュース用語解説 「卵の化石」の解説

卵の化石

古代動物が産んだ卵が化石化したもので、殻に含まれる炭酸カルシウム質が保存される。中身が保存されることはほとんどない。殻の破片だけでなく、ある程度の形状をとどめたものを卵化石と呼ぶ。卵を産んだ親の種類が特定できないことが多いため、骨の化石とは別に分類され、殻の断面の特徴などにより卵属、卵種といった階層学名が付けられる。兵庫県丹波市は世界的にも白亜紀前期(1億4500万年前~1億年前)の恐竜の卵の産地とされている。

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最新 地学事典 「卵の化石」の解説

たまごのかせき
卵の化石

fossil egg

一般に,動物の孵化以前の胚と卵膜の総体を卵(たまご)という。厳密には,卵(らん)は雌性配偶子である卵子あるいは卵細胞を意味する。卵のうち化石となるものは,角質や石灰化組織からなる卵殻(egg shell)をもつものである。魚類では,ギンザメ類の角化した卵殻の化石がジュラ紀・白亜紀・漸新世の地層から報告されている。最古爬虫類の卵の化石は,テキサスペルム系から発見されている。白亜紀後期の地層からは世界の各地から恐竜の卵の化石が発見されている。南フランスからは竜脚類Hypselosaurusの長径25cmの卵の化石が,モンゴルゴビ砂漠からは角竜類Protoceratopsの長径20cmの卵の化石が同心円状に配列した状態で報告されている。米国モンタナ州で,鳥脚類のMaiasaura・Orodromeusの卵の化石が多数発見されており,内部に胚子の骨格を含むものも知られている。このうち,Maiasauraについては,直径1.8m・深さ90cmの巣(nest)をつくり,その中で卵を孵化させ,その後もその中で子育てをしたことが推定されている。卵の化石は,化石となった動物の生殖様式を知り,発生を研究するうえできわめて重要な研究対象である。日本からも,岐阜県の白亜紀前期の手取層群から恐竜の卵の化石が発見されている。

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