吸い物(読み)すいもの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吸い物」の意味・わかりやすい解説

吸い物
すいもの

日本料理の汁物の一つで、吸い汁に重点を置いたもの。かつお節昆布などのだし汁をとり、魚鳥肉、卵などを椀種(わんだね)とし、サンショウユズなど香りのあるものを吸い口に加える。汁物は古くは「あつもの」(羹)と称し、熱いものを原則とした。夏季、冷やして供するときは「冷汁(ひやしじる)」といった。江戸期には、澄まし仕立てもみそ仕立ても汁物と称したが、飯に添えて出すものを汁、酒や肴(さかな)といっしょに供するものを吸い物といった。現在では汁物のなかで、とくに澄まし汁の一つをさす場合が多い。

多田鉄之助

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「吸い物」の解説

すいもの【吸い物】

日本料理の汁物。多くは、だし汁を煮立て、塩やしょうゆで調味したすまし汁をいう。一般に、吸い地・椀種・椀づま・吸い口からなり、椀種には魚介類・しんじょなど、椀づまには季節野菜など、吸い口にはゆず・しょうが・木の芽・わさびなどをよく用いる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android